恋は身体に悪いもの

 「ペネロペ・クルスの抱きしめたい」と言う変わったDVDが販売されて居る。「抱きしめたい」はビートルズの音楽のシングル盤の題名。NHKで放映された時は確か「恋は身体に悪いもの」で有ったと思うので有るが、何時の間にか題名が変わって仕舞って居ました。ペノロペ・クルスの題名が付いては居るが前半の若い娘時代を演じて居る丈で後半の人妻役は日本では余り知られて居ない女優が好演して居る。商売の骨が学べる好例でも有る。ディアナの後半の役のアナ・ベレンは映画リベルタリアス自由への道で勇敢な女性兵士を好演したその人で歌手でも有る。テレビドラマの挿入歌等も歌って居る。少女時代から既に映画の中で歌って居る映画も有る。映画の楽しみの一つに挿入歌が有る。挿入歌が流行歌に成った例は多い。この映画の中でもレストランで歌手が実際に歌う設定で挿入歌の効果を出して居る。YouTube等でも良く歌われて居る動画が有る。此の歌を聴く丈でも観る価値有りです。さてあらすじは・・・ パリで行われたスペイン国王主催の晩餐会で、銀行家の未亡人ディアナは国王の警護をしているサンティと再会する。実は二人には長い歴史があった。出会いは1965年、ビートルズのスペイン初公演のとき。サンティはビートルズの滞在するホテルで働いていた。熱狂的ビートルズファンのディアナは何が何でも、ジョン・レノンの私物を手に入れたい。サンティがレノンの部屋に入った隙に、ディアナも忍び込む。そこへレノンがやってきて二人や止むを得ずベッドの下へと隠れこむ。そこで二人は恋に落ちたが、お互いの名前も知らぬまま別れてしまう。
 次に再会したのはディアナが運転した車にサンティが轢かれたときであった。運命としかいいようがない。そして二人は再び恋に落ちる。しかし、軍人のサンティにはお金がない。ディアナはとにかくお金と名誉に目がない女性であったため、サンティのもとを去る。そして、二人はお互いに別の人と結婚。自分のほうが先に医者と結婚したのにも関わらず、結婚式当日にサンティに「愛してる」と電話をかけるディアナの神経は不可解。でも、全てがこんな感じなのだ。ディアナは医者、声楽家、銀行家と結婚離婚を繰り替えす。相手は金持ちばかりで、ディアナはゴシップ雑誌の常連となっていた。そして、サンティとの関係はその間もつながっていた。不倫によってディアナはサンティの子どもを出産、夫の子どもとして育てる。全てに対してしたたかだ。
 優柔不断で、ディアナにゾッコンなサンティは常にディアナに振り回される。本気で相手にされているとは見えないのだけれども、サンティはいたって真面目にディアナのことを考えている。ディアナはそんなことはお構いなしに、スルリとかわして金持ちの方へと逃げてしまう。ディアナにとってサンティはお金は無いが、実に都合の良い男であった。度重なる偶然の再会。そして、そのたびに何故かそれなりに利用価値があるところが面白い。
 そして、パリの晩餐会に現れたディアナは再びサンティを利用しようとしていた。「愛してる」という言葉を添えて。
 計算高いディアナと生真面目なサンティ。利用し、利用され、振り回し、振り回されているようではあるが、結局はお似合いの二人だ。お互いにお互いを必要としているのだから。女は恐いな、と感じると同時に男も男だよな、と思わずにはいられない。
 サンティを演じている二人の俳優、これまたぴったりのハマリ役。ガビーノ・ディエゴなんて優柔不断な役をやらせたら右に出るものはいない。ズル賢い女の役も、ペネロペとアナ・ベレンでこれもぴったり。ペネロペのいたずらっぽさがたまらなくかわいい。そして、ハビエル・バルデムが端役でほんの少しだけスクリーンに登場する。
 ビートルズのジョン・レノンが殺され、悲しみが世界に広がり、或る一つの時代が終わった事を感じさせる映画でも有る。下記はその歌の歌詞その儘です。パッシオン・ベガとアントニオ・バンデラスも歌って居ます。インターネットの自動翻訳では歌詞の好さが判り辛いところです。

               No se por que te quiero(Letra)

  No se por que te quiero             Querer como te quiero
  sera que tengo alma de bolero          no va a caber en ningun bolero
  tu siempre buscas lo que no tengo        te me desbordas dentro del pecho
  te busco en todos y no te encuentro      me robas tantas horas de sueno
  digo tu nombre cuando no debo.         me miento tanto que me lo creo.

  No se por que te quiero             Si no me hicieran falta tus besos.
  si voy a tientas tu vas sin freno        me tratarias mejor que a un perro
  te me apareces en los espejos         piensa que es libre porque anda suelto
  como una sombra de cuerpo entero,       mientras arrastras la soga al cuello.
  yo me pellizco y no me lo creo.
                          Querer como te quiero
  Si no me hicieran falta tus besos       no tiene nombre ni documentos
  me tratarias mejor que a un perro        no tiene madre no tiene precio
  piensa que es libre porque anda suelto     soy hoja seca que arrastra el tiempo
  mientras arrastras la soga al cuello.     medio feliz en medio del cielo.

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