羅針盤

 人類史上歴史を変えた大発明は幾つか有るが、中国は其の内、紙の発明と火薬の発明等多くに貢献している。羅針盤や活版印刷の発明も言う人も居る。北京五輪の開会式で中国の歴史絵巻をオープニングに使い大盛況に終了した。其の一つに羅針盤が有る。中世の帆船に依る大航海時代の夜明けにも成った。侵略の野望も実現為た。航海には羅針盤は必須で有った。晴れた夜なら星の位置で方角も判るが曇った日は判ら無い。日本は中国から多くの恩恵を受けて来たので有る。算盤や凧等も有る。天文学も発達して居た、日食や超新星の発見や惑星の動きの文献も有る。漢字の恩恵は計り知れ無い。難解な理科や医学の専門用語が速く理解出来るのも漢字の御陰でも有る。電卓が普及する前は算盤が大活躍で有った。病気の時の漢方薬や鍼灸術も有る。日常生活に最低限の常識で最も大事な読み書き算盤が全て中国からの恩恵で有る。しかし、戦時中の日本軍は恩を忘れて南京等で酷い事も為たので有る。
 羅針盤と言う言葉は機器の名前の他に進むべき方角の象徴として利用される場合も有る。進むべき道が定まら無い政局の混乱。世界的な同時経済不況、期待しても無理な虎の子の預金の利子に関係して来る公定歩合の上昇、素人に半強制的に会社を休んで裁判に参加させる憂鬱な裁判員制度、時計を合わせるのが面倒なサマー・タイム等も有る。段々に上がる消費税率。株は下がるし、ソコソコの配当金に喜んで居た投資信託の価格が知らぬ間に下がって居て損を放居たりで有る。外貨預金は利子は良いが為替が変動したら大損する場合も有る。骨董品は贋作を掴まされたりで有る。定年延長と聞こえは良いが嘱託としての再雇用では給料は期待出来無い。仕事自体は楽に成る訳では無い。今だに振込み詐欺や架空請求詐欺も有る。唖然とするワンクリック詐欺も有る。アクセス出来無いのに有料サイトから課金されたりで有る。現代は人間不信の混沌でも有る。進むべき道が判ら無い。地下鉄にサリンを巻く宗教でも未だに改宗しないで伝道を続ける信者も居る。恰も良い事で有る事の如くにマスコミも一緒に成って、改悪が進んで行く。
 世間の嵐の中で進むべき道を見つけるは至難の業でも有る。神仏に祈っても何も教えて呉れ無い。人生の進むべき方角を示して呉れる羅針盤の様な便利な機器は無い。
 昔から西洋でも麺麭屋は美味しい麺麭を焼く事に喜こび、墓堀人夫は墓を掘る度に悲しんだものでも有った。最近は温度や時間をマニュアル化し、誰が焼いても美味しく焼ける様に成った。焼く喜びも消え失せた、スイッチを入れると勝手に焼けると思い込んで仕舞う管理職も居る。労働者が必至に成って収率を上げても儲けるのは会社丈で有る。
 一般的に羅針盤は船等に装備され船に固定されて居る事が多い。掌に乗る携帯用の物は方位磁針や方位磁石と言う場合も有る。磁気コンパスの事で有る。地図と方位磁石が有っても今の位置が判ら無い役立たずで有る。携帯電話でもカーナビ機能付きの物も有る。カーナビの様には万能では無い。街中では人に聞けば良いが、山中では注意が必要、八甲田山の雪中行軍の悲劇も有る。海外旅行を為る時は特に注意が必要。道に迷ったらタクシーに乗って仕舞う手も有るが。
 方位磁石の指す北は地磁気の北で厳密な地軸の北と多少の磁気偏角が有るので注意が必要。携帯電話の普及はSF映画でも余り見掛け無かったが、手塚治虫の漫画にカーナビもどきの不思議な器械が登場する、たかが漫画では有るが、若者の未来の羅針盤でも有った。昔のクオーツ時計は昔のラジオの様な大きな装置で有った。10年後には腕時計に利用されると技術者が言って居たが其の通りに成った。偽物のクオーツ時計がブランド品の手巻き時計より精度が高い皮肉も有る。
 日本国憲法は平和憲法として世界的に評価が高い。日本国憲法は敗戦後進駐軍に押し付けられた憲法で有る為に日本独自の憲法に改定すべきだと言い出す政治家も多い。戦後60年間日本は一度も戦争はしなかったがその間にアメリカが関与した紛争や戦争は数え切れ無い。日本憲法は産みの親のアメリカの憲法よりも優れて居る事は確かな様でも有る。最早戦後では無いと放言する政治家も居る。既に改定の草案迄出来て居る。憲法は改定されても損を為る事も無いので改定も良しと為る人も多いが。憲法は政治家や裁判官を規制する規範でも有る。一般国民を規制するものでは無い。間違った悪法を正しいものに出来る唯一の規範でも有る。裁判では法律を基に裁かれるので法律が間違って居ても法律に従うしか無いが、憲法が有る御陰で悪法自体も裁くことが出来る。憲法こそ国を平和へ導く羅針盤でも有る。憲法九条は特に他に例を見無い優れた部分で有る。其の部分を改悪すると他国の憲法と変わりが無い事に成る。憲法の前文の世界に誇れる崇高な理想が地に落ちる事と成る。
 改定と言う言葉には改善のイメージが強く、多くの人は改定や改革の美名を信じて何の抵抗も感じ無いが、当然改定や改革の中には改悪も当然含まれる。進化と言う言葉の中には退化も含まれるのと同様で有る。言葉のイメージを信じ込んで騙されて損を為る人も多い。消費税が導入した時に有れ程反対した人も居たが今は皆諦めか。消費税を福祉や教育にのみ使う様に為れば反対する人も居無いだろうと珍奇な考えを巧言為る政治家迄居る。政治家の広言に騙される人も又多い。自分の任期中は消費税率は上げ無いと公言した首相も居たが、其の後の事は公約為無かったので有る。3%が5%に成り、其の内10%に成る事は火を見るより明らかで有る。国民の憂鬱も際限無く膨らんで行く。
 国民を憂鬱に為せる悪法や悪制度は消費税法丈では無い。栽培員制度も有る。サマータイム等も有る。栽培員制度は人を裁く大事な裁判の場に法律用語も判らぬ素人を籤引きで半強制的に参加させる悪制度でも有る。戦時中の徴兵制度の悪夢を思い起こす人も数多で有る。資格試験に合格為た人から選出する丈でも国民の憂鬱は防げる。職業人として採用する方法も有る筈で有るのにで有る。突然働き手を公休扱いで取られる職場の遣り繰りの混乱も出る。当るか如何かも判らぬ栽培員の為に裁判や法律の勉強を為る人も又居無い。一生に一度丈ならと諦めの人も多いが、犯罪が増えれば総人口を持てしても補充に支障が出る当然裁判員制度に反対の人も当る、厭々参加する人に公平な判決は期待出来無い。犯人への憎しみも湧く速く裁判を終らせたい焦りも出る。難関の司法試験に合格した裁判官に楯突く人も又居無い。
 古代誰の物でも無かった大地が区画分割され売買の対象に成って居る。間口の広さで税金が決まった時代も有った。京では今だに鰻の寝床の様な屋敷も多い。土地は権力者に支配されて来たが時間は支配出来無かったが年号やサマータイムで時間まで支配したい権力者の目論見を垣間見る事も出来る。企業は始業時間を夏の間丈1時間早める事は出来、経済的効果は理想に過ぎない。数多有る時計を年二回も合わせる煩わしさが国民の憂鬱に成る。
 世界的な経済不況が蔓延して居る憂鬱な時代でも有る、政府機関が色々お救済策は打ち出すが回復は期待薄い羅針盤の無い混沌の時代でも有る。有価証券の価格が下がって損を為て居る人には憂鬱な時代でも有る。りそな銀行の悪夢が甦る。大損を放いた人も居る筈。毎月分配型の高配当を続けて居る有名投資信託も多いが、金融商品の価格自体が下がって大損で有る。株は下がるし会社が倒産すれば整理ポスト入りで有る。其の二束三文の株を大量に購入し値が上がたところで売り抜け大金を手に為た人まで居た。玉子を一つの篭に盛るなと言う教訓は今だに生きて居る。額に汗為る事なく御金を得たい人は多く、損をした始めて気が付くので有る。余りに高い教育費では有る。
 映画やドラマは虚構の世界で有る。最後に愛し合う男女が結ばれる事を観客は期待するし、そう成る様に出来るが、そう成る作品も少ない。結ばれ無い事の方がより現実的でも有る為でも有る。挿入歌が効果に山場で入る場合も有る。映画の挿入歌が予想外に大ヒットした例も有る。映画やドラマは所詮他人事では有るが人生の教えでも有る。羅針盤でも有る。人生の応援歌も様々で有る。外国のドラマや映画でも素敵な歌が聴ける。外国の有名な歌を訳では無く、全く違った歌詞でヒットした歌さえ有る。
 新婚当時、新妻が苦労して作った料理に美味しいとつい御世辞を言って仕舞ったばっかしに一生不味い料理を食べさせられた人が居る。料理は愛情だ必要と言う人も多いが、技術で有る。少し正規の料理学校の授業を受ければ格段に美味しく成る。男の日曜料理はデフォルト食品の方が自分で作った料理より美味しい皮肉も有る。人は年老居ると甘味の味覚が鈍く成る、砂糖の量を増やすと姑は内の嫁は料理の腕を上げたと思うが、砂糖を入れぬ卵焼きの方が美味しいと思う人も居る。人様々でも有るが。








          2008−09−22−364−01−01−OSAKA



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