後ろ向きの人生

 人の人生は余りに過酷で有る。迂闊な事を口にして恥を掻きたく無い余りに指を銜えて見て居る丈の人生でも有る。恋愛等一度も出来無かった人すら居る。勇気を出して一言言って居たら如何にか成って居たかも知れ無いのにで有る。列車に後ろ向きに座って車窓を眺めるが如くでも有る。過ぎ去ってしまう景色しか見え無いので有る。掴み損ねた幸運の女神の後ろ姿丈が見えるので有る。定年迄の間、配転も無く仕事も変わらず、平穏無事に奉職出来たら其れに越した事が無い。定年真近かに配転を喰らって生意気な大卒出にの若造に「何回教えるたら解るんだい」と偉そうに仕事を教わるのは地獄でも有る。無慈悲な事をする管理者も此の世には居るので有る。
 配転を喰らう原因の一つにポカミスが有る。毎日同じ仕事をして来た人でも思わぬ失敗を為者なので有る。人の命を預かる医者や運転手、パイロットのミスは殊更マスコミも大げさに取り上げる。普通電車の運転手が急行と間違えて駅を通り過ぎてしまったり、バスの運転手が路線を間違え停留所の無い道路に入ってしまったりで有る。裁判所の判事が裁判に遅刻したり。医者が手術中のガーゼを体内に忘れたりで有る。証券会社の株の発注ミスも有る。株価が大きく変わって大損害が発生した、其の僅かの時間に大儲けをした人も居るので有る。銀行の大切な筈の個人情報を漏洩させたり、紛失させたりで有る。
 ポカミスも犠牲者が出ると責任問題で有る。多くの人が亡くなれは昔なら切腹もので有る。切腹は自殺の様でも有るが体裁の良い処罰で有る。当事者を自殺させる事で罪が他に御及ば無い様にしたので有る。外国からは切腹を珍奇な行為と奇異の目で見る気配が有るが。日本には死者に鞭打たずと言う馴れ合いの風潮が有る。責任を一人で背負って自殺した者を其れ以上は責め無かったので有る。親族まで咎が及ば無い様に為たので有る。死者に口無しでも有る。冤罪で切腹させられた侍も居た筈。現代でも切腹物の事件事故も多い。電車の運転手がスピードをオーバーで脱線事故を起こしたり、パイロットが飛行中に逆噴射を掛けたりで有る。
 最近は珍奇な事件が毎日の様に起こって居る為に、マスコミが大騒ぎする割りには国民は又かと思う丈で余りその異常さに麻痺してしまって居るので有る。息子の学生が最愛で有る筈の母親や兄弟を殺したり学校で無く自分の家に放火したりで有る。大の大人の男子がが天女の様な少女に猥褻行為に及び誘拐、殺害したりで有る。殺人や放火が日常茶飯事に成ってしまって居るので有る。犯人が死刑の判決を受けても殺された少女達は最早帰ってわ来無かったので有る。悲惨なやるせない事件が続くので有る。
 又、珍奇な事件が一つ発生した。名古屋市の或る病院で心肺停止後の患者から移植用に提供された腎臓を誤って廃棄為、移植手術に使用出来無くミスが有った。腎臓の提供者は当病院で死亡した男性患者で、家族の同意に基づいて左右の二個の腎臓を摘出し、容器に入れて保管為た。しかし、職員が摘出手術に使った手術室を清掃した際、腎臓の入った容器を態々開封、誤って二つ共感染性組織処理ボックスに廃棄してしまった。臓器は通常クーラーボックスに入れ、保管するか移植する施設に運ぶ、清潔に扱う事が求められる、汚染すると使用は難しい。水道の水で洗って使うと言う訳には行か無い。待ち望んで居た腎臓患者の希望の光と提供した亡くなった患者の遺族の善意が泥足で踏み躙られたので有った。病院の信頼が地に落ちたので有る。有っては成らぬ間違いでも有るクーラーボックスを開封する前に担当医に確認をする手間が面倒で有ったのか。医師に相談して居れば間違いを仕出かしても罪も半減したで有ろうに、余計な事をして全ての責任を取らされるので有る。傘屋の小僧でも有る。昔なら切腹者の不祥事でも有る。手術室の清掃を仰せつかって置き乍、何の手術が行われたのかの確認も為無かったので有ろうか。戦時中の悪夢が蘇る様ででも有る。麻酔薬も消毒液も満足に無い中で、手や足の切断手術が平然と行われて居たので有る。戦艦大和等の甲板では修羅場に成って居ったので有る。砲弾を浴びて飛び散った兵隊の手や足は海に捨てたので有る。腐乱しきった平和でも戦争よりかは益しなので有る。
 北朝鮮が地下核実験を実施した。失敗なのか規模が小さかった、失敗なら再実験が必要と成るがミサイル用の小型核弾頭なら元々小さく成功で有った事で有ろう。核を持つ大国は独裁者の暴挙の如くに制裁をと言い出す。自分たちは散々地上実験迄為、放射能を含んだ死の灰を降らし乍で有る。広島型の原爆より1000倍も強力な水素爆弾の核実験も行って置き乍で有る。地下核実験で軍事行為を行ったかの如くの制裁の発動は北朝鮮を際限無く刺激し、核実験の正当性を立証した事に成ってしまう。大国は核を廃棄してから大きな事を言うべきで有る。核を持た無い日本の言動は其れ成りに意味が有る。日本は核は持た無いが持つべきか議論する事はやぶさかで無いと言う屁理屈を言う政治家も出て来る。其の様な政治家が出て来る限り、北朝鮮も自国を守る為に核を持とうとするのが正当な理由に成ってしまう。北朝鮮の悪政は一部の政治家で有って。国民に咎は無い筈なのに。昔の日本の鎖国の如くに北朝鮮の国民を世界から締め出し、交易もさせ無いと国民は益々疲弊し独裁者丈が贅沢三昧を為る事と成る。日本は今道を間違える岐路に着きかね無い。世界に誇りうる日本国憲法を改悪しようとする目論見も有る。海外に派兵が自由に出来る様に成るので有る。国際貢献と称して血税を湯水の様に海外で使って置き乍、国際社会からは好戦国の烙印を押されてしまうので有る。余りに間尺に合わ無い世界でも有る。若い学生の珍奇な事件が続く度に政治家は教育に問題有りと教育基本法も改悪しようと言い出すので有る。戦前の愛国心の如くに国の為に喜んで国の為に平気で命を捧げられる若者を育てるのが狙いでも有る。六法全書を一度も読んだ事も無いど素人を裁判の場に強制的に引きずり出す裁判員制度も其の内始まる、憂鬱な話で有る。難解な司法試験に合格為無いと成れ無い弁護士や検察官、判事と一緒に裁判を進めるので有る。したい人がするので有ればそれも良いが、強制的に引きずり出されるので有る。嫌な事を阿弥陀籤で決めるが如くで有る。余程の正当な理由が無い限り断れ無いので有る。資格試験を実施し合格者の中から選び出したら良いものを、非常識が常識に成る世界でも有る。其の内徴兵制度を言い出す政治家も出て来そうで有る。個人の都合等考え無いので有る。葉書一枚で人の人の命が買えるので有る。兵隊の命より馬の命の方が大事だと其の内言い出すので有る。
 日本の将来を見据えて前向きな人生を歩みましょう。


          2006−10−22−174−01−01−OSAKA

・                                              

                     HOME
                  −−戻る 次へ++